アルミ蒸着フィルムのガスバリア性

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アルミニウムをプラスチックフィルム基材に蒸着したフィルム(メタライジングフィルム)はガスバリア材として使用されています。メタライジングする方法には、真空蒸着法(抵抗加熱、電子ビーム加熱、高周波加熱)、イオンプレーティング法、スパッタリング法など各種の方法がありますが、とりわけイオンプレーティング法とスパッタリング法は、アルミの基材に対する密着性が良好等の長所がありますが膜の成長速度が遅いため、製造には真空蒸着法が適用されており、抵抗加熱法による巻き取り式蒸着機が一般に使用されています。フィルム基材としては、PET、ONY、OPP、CPP(無延伸PP)、LDPEなどが用いられています。アルミの蒸着膜厚は種々の方法で測定されますが、表面抵抗値の測定により行われるのが一般的になっています。これは、一定の長さと幅の電極に直流電圧を直接印加して測定する方法で、簡便かつ正確です。包装用の蒸着フィルムの蒸着膜厚は40~70nmで、表面抵抗値は1.0~2.5Ωに相当します。PETとONY基材のガスバリア材が良好で、酸素透過率は、1~1.5cc/平方m・24hr程度です。CPPやLDPEが基材のものはバリア性が劣るものの、単体で袋にできるというコストメリットがあり、アルミ蒸着フィルムは、スナック類、茶類などの包材として使用されています。