包装デザインの方向性

包装デザインの方向性

包装材だけではなく、すべてのデザインにはデザイン制作のコンセプトを絞り込むことから始めます。コンセプトというのは概念、着想、考えといった意味です。

これを広告宣伝では「最終的には何を伝えたいか」ということを決めるときに使います。マーケティングの結果から、新しい製品を作るときは、商品コンセプトを作ります。これを宣伝する段階でデザインのコンセプトに絞り込んでいきます。

価格が同じものだったり、場所が同じだったり、建物が同じだとしてもコンセプトを変えると、違ったものに見えてしまいます。堅実な人に売り込みたいのに、横文字だらけの楽しそうなところを押しても興味は持ってもらえないものです。

性能を重視し、装飾をほとんどつけないほうが目を引くかもしれません。あまり明るい雰囲気にしてしまうと怪しげなものと受け止める人もいます。

若い世界に生きていきたいという人には、堅すぎる表現だと避けられてしまいます。元気な高齢者が多くなっている今、あまりにも堅実なものだと、つまらないものと思われてしまって避けられることもあります。

また包装は見た目だけで考えてはいけません。もちろん見た目も大事ではありますが、持ち運び時の緩衝材としての役割も果たさなければならないこともあれば、本体が傷つくのを防止する梱包材としての役割もあります。包装材としての見た目と機能性を両立した設計を考えなければならないのが、包装の難しさだと言えるでしょう。

コンセプトを決めるには?

コンセプトを決めるには?

コンセプトというのは、デザインを始める前に決めなければならないということです。コンセプトがなければ混乱が起こるだけです。

ターゲットを決め、表現のコンセプト、デザインを決めるということです。ターゲットというのは、マーケティングをしなければ決まらないものです。

ターゲットから商品コンセプトを決めていきます。そして表現のコンセプトが決まり、デザインのスタートとなります。ターゲットの属性を把握するのも大切です。

コンセプトに残す要素というのは、社会的属性というのが大切です。性別や年令は欠かせないものです。その他にも様々な要素がコンセプトづくりに必要になってきます。

コンセプトの設定

ではコンセプトの設定について考えましょう。全体を通して、統一するイメージを表現するようにしましょう。また包装する製品自体の特徴をきちんと考えましょう。

表現イメージの指標、訴求したい特徴をまとめます。激安の程度、格調、上品さ、華やかさ、新商品、定番、人気商品、限定品といったものです。

訴求層はどのへんなのか。男女、年齢、所得層、趣味性、嗜好、商圏の範囲を考えていきます。メインターゲットは何にするのか、商品のキャッチフレーズを考えます。

何をアピールするか、それを決定するためにラフスケッチを描きます。仕様の決定では、サイズや材質を決めていきます。デザインに関連する部分ではフルカラーなのか二色などか、使用する写真の点数などといったもので、これは、スケジュールや予算の決定のもとになります。

スケジュールや予算の設定

スケジュールや予算の設定

スケジュールの決定をしていきます。メインデザイン完成予定日を決めるには、どのような工程が必要かということを考えていきます。それによって制作発注日、制作開始日、ラフ提出日、決定日、商品撮影日、デザインチェック日などといったものです。

包装材の制作を外注する場合は、外注先との調整も必要になってきますね。予算も考えていきます。関係先への問い合わせ、仮見積もり、前回の実績記録の確認となります。そして制作会社の決定となります。

コンペを数社で行うのもよいかもしれません。デザインによっては、かなりの日数が必要なこよもあります。制作レベルや納期、実績を参考にしたり、費用、守秘義務姿勢などを見ていきます。

必要に応じ随意契約としましょう。デザインの制作となると、制作開始が発注ということなります。打ち合わせなども適宜あります。