地球の再生サイクルのなかで

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2020年7月1日からスタートしたプラスチック製レジ袋の有料化は、江戸の町に生きた人々の目線からするとどのように映るのでしょうか。現代は、プラスチック製の使い捨て商品に溢れかえっておりますが、江戸時代の人々の暮らしには「使い捨て」といった概念がみられなかったようです。江戸の町の人々を「リサイクルの達人」などと呼ぶ専門家たちもいるようです。江戸の町では「ゴミ」がほとんど排出されなかったと言われています。「もったいない」の精神にもとづく江戸の人々は、再利用できるものはどんなものでも修理することでそれなりに活用していたそうです。かまどの灰や、厠(便所)の排せつ物、動物たちの糞までも、徹底的に暮らしのために活用していました。地球上の資源は全て循環していることを知っていたのでしょう。当時の「ごみ」と言われていたものは、貝の殻や割れた陶器などを示したそうです。食料の買い出しでもレジ袋などはありませんから、籠や風呂敷など買い出しで手に入れた食材に合わせて包装し運ぶための道具を使い分けていたようです。当時の江戸の人々の暮らしを垣間見てみると、現代人の暮らしはモノで溢れかえり豊かな暮らしにみえますが、人間の「使い捨て」の暮らしが地球環境の再生を止めてしまっているような気がしています。